おしゃれなZ世代のポーチの中身が“変わる”理由「今日はこれを選ぶ」ファッション×メイク意思決定
【20人分のインタビュー内容をダウンロード可能】顔の見えるインタビュー調査
一般財団法人日本ファッション協会が運営する「スタイルアリーナ(style-arena.jp)」は、おしゃれなZ世代の中でも、日によってポーチの中身を変える人たちに着目し、その背景にあるインサイトを探るべく、街頭インタビュー調査を実施しました。

「今日は何を持っていこう」
コスメポーチの中身を、その日の予定に合わせて組み替える。
一見、気分屋や流行好きに見えるこの行動。しかし、おしゃれなZ世代に話を聞いてみると、そこには明確な意図がありました。
前回の自主調査では、「変えない派」が「崩れない仕組み」を朝につくり込んでいることを明らかにしました。
▶︎前回記事「おしゃれなZ世代のポーチの中身が変わらない理由〜「崩れない仕組み」を朝につくり込んでいる〜」
では、「変える派」は何を基準に、何を選んでいるのか。今回、表参道で20名に深掘りインタビューを実施したところ、見えてきたのは、その日の状況に応じて、必要なものを見極め、最適なコスメを選び、「変える」ことで、その日の自分を完成させる人たちの姿でした。
▶︎今回の街頭インタビューの【20人分のインタビュー内容】をこちらからダウンロードいただけます
調査概要
Z世代女性に対する街頭インタビュー調査
調査時期:2026年1月18日(日)
調査手法:街頭インタビュー調査
調査地点:表参道エリア
調査対象:ポーチの中身を変える派のおしゃれなZ世代女性 20名
調査項目:今日の化粧ポーチの中身を教えてください。/どんなときにポーチの中身を変えたくなりますか?/ 次に狙っているアイテムはありますか?など
調査実施機関:スタイルアリーナ (style-arena.jp)
【発見①】「変える」=冒険ではなく、状況に応じた最適化
20名のうち、多くの人が口にしていたのは 「その日の予定によって変わる」という言葉です。
1日のスケジュールから逆算し、必要なものを見極めて、持ち歩くものを調整していることがわかりました。
- 仕事か、遊びか
- 誰と会うか
- どれくらい外にいるか
- どんな場所に行くか
彼女たちは、これらの条件に応じて 「今日はこれが必要」「今日はこれは要らない」と判断しているのです。
つまり、ポーチの中身を変えることは
ランダムな選択ではなく、状況に応じた合理的な最適化でした。
【発見②】変化の起点は、「予定・相手・気分」の3軸
インタビューを通して見えてきたのは「変える人」の中にも、
明確な3つのパターンがあるということです。
①推し活・予定起点で切り替える人
②イベント・非日常を楽しむために盛る人
③一緒にいる相手によって、印象を変える人
ここからは、それぞれの実例を見ていきましょう。
①推し活・予定起点で切り替える。「世界観に合わせる」という選択

今日はBLACKPINKのコンサートで、ブラックベースのスタイリングに冬らしいチェックジャケットが主役。miumiuのミニバッグにつけた、ライブグッズのキーホルダーのピンクカラーがポイント。メイクは、ファッションに合わせて、ピンクと茶色でまとめたそうです。

この日持っていたのは、rom&nd(ロムアンド) のテラコッタカラーのチーク&リップ兼用の「ジューシーロールチーク」や、同ブランドのウサギの舌みたいな色のリップ「グラスティング カラー グロス」など、5つのアイテム。
興味深いのは、ロムアンドが多い理由です。
「化粧品をあんまり自分で選ばなくて、韓国の友達が、韓国に帰った時に一緒に似合うアイテムを買ってきてくれるからです」
実際使ってみて良いと思うのは、
「色味がデパコスにもプチプラにもない、ちょっと特別な感じがあるところ。イエベ秋向けの色が多いのもありがたいです」
彼女がポーチの中身を変えるのは、その日の予定次第。
「その日の予定でかなり変わります。休日は推し活や行く場所でも変わるし、ランチかディナーでも持ち歩くものが変わる」
学校に行く時は基本ファンデは塗らずに、ナチュラルなメイクが多いという。
「遊びの日の方が、持ち歩くコスメアイテムは多いです」
【なぜ、この切り替えが起きるのか?】
この層は「自分で選ぶ」ではなく、 信頼できる他者を介して選ぶ消費者。
ブランド訴求より、
「この属性の人に似合う」と第三者が言っていることが最大の安心材料になる。
「推し活×メイク」「世界観に合わせる色選び」は、 Z世代前半向けの強い文脈なのです。
【このケースから見えること】
- 世界観(推し・イベント)に合わせて、色と質感を選び直す
- 「誰が言っているか+情報の説得力」が信頼の起点になっている
(韓国の友達がおすすめする、韓国コスメ)
②シーン・イベント起点で”盛る”。非日常を楽しむためのスイッチ

「今日のファッションのテーマは2016年バイブス」と語る彼女。
今日はこれからフェスがあるため、メイクはキラキラで濃いめ。
「普段はあんまりアイシャドウしないんですけど、今日はフェスなので」

今日のポーチの中身は、TIRTIR(ティルティル)のクッションファンデ、CHANEL(シャネル)のグロス、DIOR(ディオール)のリップライナー、M.A.C(マック)のツヤ系リップ。
「今日はこれからフェスに行くので、ツヤとキラキラ多めです」
彼女がポーチの中身を変える理由は、
「出掛ける場所による。フェスがある日とかは、今日はちょっと盛りたいってなる。目元を強くしたくなります。普段はそんなにアイシャドウしないんですけど、イベントとか非日常の予定があると、キラキラ入れたり、濃いめにしたくなります」
次に狙っているのは、ディオールのクリスマスコフレのリップ。
「海外で売ってる限定のもので、Qoo10で一回買えたんですけど、品切れになっちゃって。でも絶対欲しいと思ってます」
【なぜ、この切り替えが起きるのか?】
彼女にとってのメイクは、
日常の身だしなみではなく、非日常をより楽しむためのスイッチ。
イベント・フェスという特別な場では、
「盛れる」「ギラつく」「海外っぽい」が強い価値になる。
限定・入手困難・完売といった要素は、
購買意欲を一気に引き上げるトリガーになるのです。
【このケースから見えること】
- 非日常=メイクは“盛るためのスイッチ”
- 限定性、海外感、特別感が購買トリガーになる
③一緒にいる相手で”印象”を変える。メイクは場に合わせた調整ツール

冬らしいファーアウターにデニムを合わせた彼女。
全体の雰囲気がブラウンっぽかったので、メイクもそれに合わせてブラウンみのあるリップにしたそう。

ポーチの中身は、MAKE UP FOR EVER(メイクアップフォーエバー)のリップグロスと、M.A.C(マック)などのリップライナー2本。
興味深いのは、ポーチの中身を変える理由。 彼女はその日、一緒にいる相手によって持ち歩くアイテムを使い分けていると言います。
「女の子と遊びに行く時は、気合いを入れて、キラキラが多め。逆に、男の人とのデートの時は、あまりやる気のあるメイクをしないようにしていて、『ノーマルな女の子』で行こう、という気持ちになります。具体的にいうと、キラキラを足すか足さないか、グロスを軽めにするか重めにするかが重要」
【なぜ、この切り替えが起きるのか?】
若年層は、メイクを使って相手に「どんな自分を見せたいか」を考えている。
「キラキラ=自己表現モード」「ナチュラル=日常の自分モード」
という使い分けロジックが非常に明確。
この層にとってのメイクは、自分を演出するツールなのです。
【このケースから見えること】
- 相手によって「印象」を調整する意識が強い
- キラキラ/ナチュラルの切り替えは明確なロジックがある
ポーチの中身が変わる、おしゃれなZ世代に選ばれるには
今回見えてきたもの。
それは、ポーチの中身を変えるおしゃれなZ世代は、
「今日の自分をどう見せるか」を選ぶことを楽しんでいるということです。
- 推し活なら世界観に合わせる
- 非日常なら盛る、日常ならミニマム
- 女友達なら自己表現モード、デートなら日常の自分モード
【この層に刺さる商品設計とは】
求められているのは「どんな場面でも使える万能アイテム」ではなく
「推し活の日に持ちたくなる色」
「フェスで盛れるキラキラ」
「デートで日常の自分を見せる自然さ」
といった、特定の文脈に最適化された提案。
この層にとって、メイクは「今日の自分」をつくるための選択肢。
だからこそ、 「その日になりたい自分に、一歩近づける」 という期待感が、
購買の決め手になるといえるでしょう。
ポーチの中身を「変えない派」も「変える派」も、
どちらも自分なりの明確な基準を持っている。
おしゃれなZ世代の「選び方」や「切り替え条件」を理解することが、
商品開発・広告設計に活かせる示唆となる。
20名分の詳細なインタビューには、 さらに多様な選択のロジックが詰まっています。
▶︎今回の街頭インタビューの【20人分のインタビュー内容】をこちらからダウンロードいただけます
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